もう一度世界記録を樹立したい
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Yoko Nakano
70歳からランニングをはじめ、フルマラソンやトラック競技で数々の年齢別世界記録を樹立してきた中野陽子さん。89歳(インタビュー当時)の今も現役ランナーとしてレースを走る比類なきアスリートにランニングとの出会いや大会引退への思い、これからめざす世界記録などについて伺った。
※本記事は、当社より発売前の「/zeroz(ゼロズ)」テスト品を提供し、依頼したインタビューを編集して掲載しています。
※インタビューは2025年6月に行われ、記事内の発言・内容は取材当時のものです。
70歳からランニングをはじめ、フルマラソンやトラック競技で数々の年齢別世界記録を樹立してきた中野陽子さん。89歳(インタビュー当時)の今も現役ランナーとしてレースを走る比類なきアスリートにランニングとの出会いや大会引退への思い、これからめざす世界記録などについて伺った。
※本記事は、当社より発売前の「/zeroz(ゼロズ)」テスト品を提供し、依頼したインタビューを編集して掲載しています。
※インタビューは2025年6月に行われ、記事内の発言・内容は取材当時のものです。
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20代でスキーをはじめ、基礎スキーの順指導員資格を取得。70歳でスキーを引退し、ランニングに転向。71歳で初マラソンのホノルルマラソンを完走。81歳の東京マラソンでの年齢別世界記録(4時間11分45秒 W80 女子80~84歳)をはじめ、数々の世界記録をマーク。89歳(インタビュー当時)の今も現役ランナーとしてレースを走り続けている。
市民ランナー
中野 陽子(なかの ようこ)
Vol.01
90歳になったら、
もう一度世界記録を樹立したい
市民ランナー
Yoko Nakano
(01)
70歳でランニングをはじめ、
半年後にはホノルルマラソンを完走
驚くことに中野さんがランニングを始めたのは70歳のとき。若いころから親しんだスキーに代わるスポーツとして選んだ。
「スキーは海外にも行って、十分楽しみました。この先、スキーを続けるのは経済的にも難しいけど、ランニングなら必要なのは靴だけ、長く続けられそうだと思ったんです。多摩川のランニングコースが家から近かったこともあって走り始めました」
中野さんはランニングフォームの美しさでも知られるが、それは「上達するにはとにかく基礎が大事」だとスキーで学んだからだそう。
「しっかりと基礎を学ぶためにランニング教室に通うところからはじめました。特に正しいフォームで走ることを心がけましたし、いまでもフォームには気をつけています」
そして、ランニングをはじめてわずか半年。71歳のときに2006年の「ホノルルマラソン」でフルマラソンデビューし、4時間44分44秒で完走という快挙を成し遂げる。
「意外と順調に走れたという印象でした。ひょっとして自分はマラソンに向いているのかな、もっと速く走れるかもと思ったんです」
(02)
マラソンで、トラックで、
数々の年齢別世界記録を樹立
年齢を問わずいろんなランナーが参加できるマスターズ陸上大会を知り、中野さんは中長距離の陸上トラック競技にも出場するようになる。
「最初の大会は東京で、国立競技場で走れるのがうれしくて出場しました。マスターズ陸上は100歳の方も活躍されているので、すごく良い目標ができたと思いましたね」
74歳のときに「北海道マラソン」で3時間50分18秒のフルマラソンの自己ベストをマーク。76歳で「サロマ湖100kmウルトラマラソン」を完走。そして、2017年の「東京マラソン」や2018年の「世界マスターズ陸上競技選手権大会」をはじめ、フルマラソンやトラック競技で数々の年齢別記録を打ち立て、市民ランナーたちを驚かせた。
「今でもランナーの方から声をかけていただくことが多くて、すごく励みになっています。いろいろな方と仲良くなれるのが、ランニングの魅力ですね」
とは言え、年齢を重ねるごとに、どうしてもタイムは落ちていくもの。現在89歳の中野さんは成績が伸びないときのモチベーションをどう維持してきたのだろうか。
「これが今の自分の走りなんだと、遅くなった自分を認めてあげれば、楽しく走れます。私はランニングをはじめて3年くらいはぐんと記録が伸びましたけど、それ以降はずっと、できるだけ走力が落ちないようにと思ってトレーニングしています」
(03)
思い出の大会を走って卒業
中野さんは2023年での完走をもって東京マラソンを卒業した。
「東京マラソンは十分に楽しませていただいたので、卒業したんです。全部のフルマラソンから卒業したわけではないんですよ」
中野さんは今、これまで走ってきた思い出の大会から一つひとつ卒業をしている。2025年6月には大好きで11回も出場してきた「利尻島一周悠遊覧人G」とお別れしてきた。
「この年齢になって移動も大変ですし、『今までありがとうございました』という挨拶をして卒業しました。同窓会のような楽しさが感じられる大会なんですよ。最後も無事完走できてよかったです(笑)」
70歳で最初に出場したハーフマラソン「手賀沼エコマラソン」には、2026年に最後の挨拶におもむくつもりだ。当時2時間を切って、ホノルルマラソンへの大きな手応えを得た大会だ。
「そのとき出場者に配られた大会の記念Tシャツを今でも持っているんです。来年、それを着て手賀沼を走って、最後の挨拶をしたいです」
(04)
90歳でフルマラソン世界記録へ
挑戦したい
さまざまなレースから卒業していく一方で、フルマラソンでの大きな目標も抱いている。
「今年(2025年)の12月で90歳になります。そうしたら、フルマラソンで90歳代の世界記録(W90 女子90~94歳)を樹立したいです。この年代の記録はあまり速く走らなくても更新できそうですが、出るからには良いタイムで走りたいですね。世界記録を出したら、フルマラソンからは卒業するつもりです」
フルマラソンを卒業した後は、主にトラック競技の大会出場を考えているそう。仮にすべての大会から卒業するときが来ても、ランナーをやめるつもりはない。
「近所には多摩川のランニングコースや坂道がある池上本門寺があるので、体操やお参りも兼ねて、できるだけ長く走り続けたいですね」