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(Vol.01)
それぞれのアプローチで
その先を追い求める
二人のトップフリーダイバー
大井 慎也・廣瀬 花子
フリーダイバー

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Shinya Oi
Hanako Hirose

プール3種目で日本記録を保持し、国内外の大会で数々の優勝・入賞を果たしてきた大井慎也さん。女性として史上2人目の100m潜水成功者であり、日本記録保持者でもある廣瀬花子さん。日本のトップフリーダイバーのお二人の強さの秘訣や潜ることへの思いに迫った。

※本記事は、当社より発売前の「/zeroz(ゼロズ)」テスト品を提供し、依頼したインタビューを編集して掲載しています。

※インタビューは2025年6月に行われ、記事内の発言・内容は取材当時のものです。

プール3種目で日本記録を保持し、国内外の大会で数々の優勝・入賞を果たしてきた大井慎也さん。女性として史上2人目の100m潜水成功者であり、日本記録保持者でもある廣瀬花子さん。日本のトップフリーダイバーのお二人の強さの秘訣や潜ることへの思いに迫った。

※本記事は、当社より発売前の「/zeroz(ゼロズ)」テスト品を提供し、依頼したインタビューを編集して掲載しています。

※インタビューは2025年6月に行われ、記事内の発言・内容は取材当時のものです。

  • 1978年、三重県鈴鹿市生まれ。2013年よりフリーダイビング競技に出場し、以降、国内外の大会で多数の優勝・入賞を重ねる。2015年から日本代表として世界選手権に出場。プール競技3種目(DYN/DYNB/DNF)で日本記録を保持。フリーダイビングショップ『シレーナ』を主宰し、講習・トレーニング・大会運営を通じて競技普及に貢献している。日本フリーダイビング協会、三重県フリーダイビング協会、鈴鹿市フリーダイビング協会の会長を務める。

    フリーダイバー

    大井 慎也(おおい しんや)

  • 1986年生まれ。幼少期から御蔵島のイルカと泳ぎフリーダイビングの素養を身につける。2010年のAIDA世界選手権団体戦で日本史上初となる世界大会優勝を収める。その後も日本代表「人魚ジャパン」のメンバーとして同大会で3度世界一の座に輝く。2017年に国際大会のCWT(深度競技)で、女子では世界史上2人目となる水深100mダイブに成功。2017年と2018年にCWTの世界記録を樹立。日本人初のPADIマスターフリーダイバーインストラクターに認定。競技活動の傍らフリーダイビングスクールの講師や水中モデルとしても活動しながら世界の海を潜り渡る。

    フリーダイバー

    廣瀬 花子(ひろせ はなこ)

Vol.01

それぞれのアプローチで
その先を追い求める
二人のトップフリーダイバー

フリーダイバー

Shinya Oi
Hanako Hirose

(01)

記録だけではない、
新たな体験を追い続けられるのが
フリーダイビングの魅力

一息で深く、遠く、長く水中に潜るフリーダイビング。多くの人にとって、想像が及ばない世界だろう。まずは、海洋競技でも活躍する廣瀬さんに海に潜る魅力を伺った。

「自然の中で自分の生き物としてのポテンシャルを見つけに行けるのが魅力です。それまでより1m深く達すると世界が変わり、自分が生まれ変わる感覚があるんです。この感覚に魅了されて、やめられないですね。記録を出しても、その先を体験したいという思いは尽きないです」

プール競技で長年にわたって圧倒的な強さを誇る大井さんは「突き詰めていくことが魅力」だと語る。

「どんなトレーニングをしたら何が変わるのか、自分のカラダを使って実験している感覚です。記録も追い求めていますが、それだけだとどこかで行き詰まってしまう。記録は通過点で『突き詰める』という全体のプロセスの一部という意識です」

(02)

科学的なトレーニングで
さらに「突き詰める」

さらに「突き詰める」ために、大井さんは大学教授の協力を得て科学的なトレーニングも取り入れている。

「フリーダイビングという酸素の取り込みが重要なこの競技において、効率的にカラダを順応させるために低酸素環境でのトレーニングを取り入れています」

データで自分の状態を客観的に把握できることも、科学的なトレーニングのメリットだと大井さん。

「調子の良し悪しを感覚で捉えていたんですけど、データを見ると結構ずれていたりするんです。僕は数値に置き換えられることはすべて置き換えていこうと思っていて、今、フィンキックも50mで14回に固定しています。それでも最後には主観も大事になってくるから、フリーダイビングは奥深いです」

心拍数が上がると水中で余計な酸素を消費してしまうフリーダイビング。メンタルが重要だとされているが、論理的な準備を重ねる大井さんは本番で緊張することはない。

「練習と本番に境目がないようにしているんですよ。道具の付け方、プールへの入り方、全部の所作を一緒にしているので、本番も練習と同じマインドで臨めます。結果のことは意識せず、今、自分がすべきことを確実に実行するようにしていますね」

(03)

あえて緊張状態に持っていき、
練習以上のパフォーマンスを
生み出す

対照的に廣瀬さんは本番で自分を緊張状態に持っていく。

「大会では緊張をしていた方が自分の最大値を出せると感じています。だから高い目標を設定するなど、あえて自分にプレッシャーをかけるようにしていますね。私の場合、そうすることで練習以上のパフォーマンスを生み出せるんです」

緊張状態に持っていくのは入水前のこと。いざ水に潜ると廣瀬さんは常にイメージを思い浮かべているそう。

「気持ちいいイメージとか、幸せなイメージを頭の中に流すようにしています。潜っていくと、眠るような、夢を見ているような状態に自分を持っていくようにして、穏やかな気持ちになっていきます」

優雅にも聞こえるが、水深100mを越える世界での話だ。廣瀬さんはどうやって高い水圧に耐えているのだろうか。

「フリーダイビングのような水深が深くなる状況下では、私たちのカラダは、水圧に適応するための生理的な仕組みが働きます。トレーニングでこの適応力を高めていきます」

(04)

お互いに称えたのは「強い精神力」

日本記録保持者が二人そろったこの機会に、お互いの強みについて語ってもらった。まずは廣瀬さんから見た、大井さんの強みとは?

「信じられないくらい精神的にタフですよね。競技のことはもちろん、大会自体をオーガナイズしながら選手としていくつもの種目にエントリーするって信じられないです。私は自分にフォーカスしたいタイプなので」

大井さんは選手としてだけでなく、今や競技の誘致や、運営実行委員も務める存在。そんな大井さんは廣瀬さんの強みを「不屈の精神」だと表現する。

「何度倒れても、すぐ立ち上がる。失敗をしたときにくじけるのではなく、その経験を絶対に糧にするという意識を持っています。だから強いんでしょうね」

※本記事で紹介しているトレーニングは、フリーダイビング競技者が専門家の指導のもとで行っているものです。安全のため、専門家の指導なしで同様のトレーニングを行うことはお控えください。

Vol.02

二人がめざす世界記録、
そのための準備

フリーダイバー

大井 慎也・廣瀬 花子