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(Vol.01)
常識を覆したレースが、人々に衝撃を与えた
土井 陵
マウンテンアスリート

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Takashi Doi

日本一過酷な山岳レースと言われる「トランスジャパンアルプスレース(以下TJAR)」で、驚異の新記録を打ち立て、連覇も成し遂げた土井陵さん。消防士として働きながら国内外の山岳レースで活躍を続ける希代のアスリートに、常識にとらわれないレースへの向き合い方や山岳レースへの思いなどを伺った。

※本記事は、当社より「/zeroz(ゼロズ)」テスト品を提供し、依頼したインタビューを編集して掲載しています。

※インタビューは2025年6月に行われ、記事内の発言・内容は取材当時のものです。

日本一過酷な山岳レースと言われる「トランスジャパンアルプスレース(以下TJAR)」で、驚異の新記録を打ち立て、連覇も成し遂げた土井陵さん。消防士として働きながら国内外の山岳レースで活躍を続ける希代のアスリートに、常識にとらわれないレースへの向き合い方や山岳レースへの思いなどを伺った。

※本記事は、当社より「/zeroz(ゼロズ)」テスト品を提供し、依頼したインタビューを編集して掲載しています。

※インタビューは2025年6月に行われ、記事内の発言・内容は取材当時のものです。

  • 1981年、大阪府生まれ。大学卒業後、大阪市消防局に入局。31歳でトレイルランを始め、UTMF(現・Mt.FUJI100)やUTMBなど、国内外の100マイルレースで好成績を残す。2022年、2024年にウルトラトレイルレースのTJARを連覇。日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージIIを有し、マラソン大会にも出場するなど、幅広いフィールドで活躍する。2022年からは仲間と100マイルイベント「BAMBI100」を主催する。

    マウンテンアスリート

    土井 陵(どい たかし)

Vol.01

常識を覆したレースが、人々に衝撃を与えた

マウンテンアスリート

Takashi Doi

(01)

31歳で山を走る
トレイルランニングに出会う

今は山岳レースの王者と称される土井さんだが、山を走りはじめたのは30代になってからだった。

「30歳でロードランニングをはじめて、ロードの大会がない夏は何をしようかと迷っていたら、職場の先輩が山を走るトレイルランニングは夏も大会があると教えてくれました」

当時31歳。ロードランニングのトレーニングとしてはじめたトレイルランニングだったが、最初に出た大会で期せずして優勝を果たす。この競技の何が土井さんに合っていたのだろうか?

「分からないですね。でも、ロードレースとは違って、山の景色がどんどん変わっていくのが楽しかったのは覚えています」

もともと登山も趣味にしていた土井さんは「より軽い荷物で、山のより深くまで、より速く行ける」と感じたトレイルランニングにはまっていった。

「当時、社会人選手としてバスケをプレーしていて、もう成長は難しいと実感していました。一方でトレランは走れば走るだけタイムが良くなる。競技性が高すぎないと言うか、順位や記録以外の楽しみをみんなで共有しているところにも惹かれました」

(02)

常識を覆し、
衝撃を与えた2022年のTJAR

その後、国内外の100マイルレースなどで好成績を挙げ、山岳レースシーンで注目度が高まった土井さん。名声を決定的にしたのが、2022年のTJARだ。日本海から太平洋まで3つの日本アルプスを越える日本一過酷と称される山岳レースで、記録を6時間以上も短縮して優勝。なぜ、そんなことが可能だったのか。

「それまでのTJARの常識はいったん取っ払って、自分の考えでレースに臨んだのが大きかったと思います。TJARは登山とトレラン、ロードが融合したようなレースですが、僕はよりトレラン寄りに考えました」

TJARは「山力が重要」とされてきたが、土井さんは登山の技術に加え、トレイルランで培ったスピードを発揮し、1日目に北アルプス、2日目には中央アルプスも越えて、GPSトラッキングで経過を追っていた関係者やファンに衝撃を与えた。

「2日での中央アルプス越えは誰もチャレンジしていなかったので、その常識を覆そうと思いました」

レース前半をハイスピードで駆け抜けた土井さんは「南アルプスはキツかったですね」と振り返るものの、4日17時間33分という新記録でゴールした。

(03)

レースにおいて、
何が必要で何が不要か

続く2024年大会で、土井さんは見事に連覇を成し遂げるが、レース展開は圧勝だった前回とは異なり、足にマメができてリタイアまで考えたそう。それでも気力を振り絞って走りきったのには理由があった。

「2024年は結果を出してTJARに一区切りつけるつもりで臨んでいました。ここでリタイアしてしまったら、終わるに終われないという気持ちでしたね」

土井さんと言えば、過去の経験に基づいた周到な準備、徹底した効率化・合理化でも知られる。わずかな軽量化のために必携品のボールペンの芯だけを持ったことも有名だ。

「ロードは涼しい夜に通る。酸素が少ない高山では、どこをいつまでに通過すべきか──過去の大会での感覚や試走のタイムも踏まえ、必要なもの・不要なものを見極め、すべてを合理的に組み立ててレースに臨んでいます。これはストイックだからではなく、そうすることが最も合理的だと判断しているからです。」

(04)

出場するレースは、
旅をするように決める

フランスの「UTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)」やイタリアの「トルデジアン」、スペインの「トランスグランカナリア」、日本の「Mt.FUJI100」など国内外のビッグレースで活躍する土井さん。出場レースを選ぶ基準は何だろうか。

「僕は旅が好きなんです。昔はバックパッカーをしていましたし。出場大会は、なかなか行けないところ、新しい世界に出会えそうなところを選んでいます。単純に、その景色の中を走ってみたいと感じるレースにチャレンジしています」

TJARのイメージが強い土井さんだが、何日もかかるウルトラトレイルレースではなく100マイルレースを自身のメイン競技だと考えている。

「100マイル(約160km)って奇跡の距離なんですよ。もっと短いと競技性が高くなりすぎるし、長いとスピード感がなくなってしまう。旅と競技のバランスがちょうどいい。僕自身100マイルレースに出会ってトレランに本格的にのめり込みましたし、そういう出会いをつくりたくて、自分でも仲間と『BAMBI100』という100マイルイベントを開催しています」

Vol.02

良い景色と経験、そして人とのつながりが山を走ることの魅力

マウンテンアスリート

土井 陵